ジ ム ニ ー の エ ン ジ ン

改造メニュー 油脂類編
  1.  エンジンオイル
  2.  その他のオイル(耳寄り情報満載)
  3.  燃費とエンジンの独り言
  4.  新世代燃料 ガイアックス
  5.  フューエルフィルター交換

エンジンオイル
  先日、近所のBMW専門の改造屋でレッドライン社のエンジンオイルの空容器を沢山見つけたので、私もレッドラインでも入れて見ようかとオートバック○に行ってみたが、1リットル約3000円強!!ぶったまげた。
 レッドラインオイル
 そんな訳でいつものとおりU.Sから直輸入で購入したら1リッター2000円で輸入出来た。輸出先の解説によると1年間無交換でも大丈夫らしいので、おとジム号で長期実験を開始したが、エンジンを交換したので途中で頓挫。
 入れた直後はなんと滑らかにシュルシュルと、まるでBMWの6気筒のように回転している。やっぱり高価なオイルは添加剤が違うようです。
 ついでに、レッドラインの燃料添加剤SJ-1エンジンクリーナーも入れてみた。これは一部のおとジム会員の方と共同でデータ収集中。
 
北九州のSさんから
 先日、頂きましたレッドラインのSJ-1エンジンクリーナーの経過報告です。
 早速ガソリンタンクへ注入しました。ファーストインプッレションはハイオクを入れたような感覚です。
 次の満タン時に1目盛弱入れました。300km程度の走行ですが、アイドリングが安定していることは確かで、発進もよりラフにできます。さらに嬉しいことに、今まで最高11m/lであった燃費が、12km/lになったことです。
インジェクション廻りのなカーボンが除去出来たのでしょうか。



その他のオイル
 ミッションやトランスファーオイルはメーカーではギヤオイルを指定しているが、私はエンジンオイルを使用している。FF車などにはミッションにエンジンオイルを指定している車はいくらでもあり、ジムニーのミッションを分解(SJ10の4速をJA71ミッションと合体させ5速にした)した経験から特殊な機構などは付いていないので、ギヤオイルに比べ廉価なエンジンオイルを使用している。これでもミッションとトランスファーには何の問題も起きないが、ジムニーの持病のシャー音だけはギヤオイルより大きくなる。
 注意 デフはギヤオイルを使わないと焼き付きます。
メーカーにお勤めの読者の方からのコメント
Q  ミッションやトランスファーにエンジンオイルを使用することに関して
 A  問題は無いと思います。ただし、粘度選択には気をつけましょう。
        一般的に粘度といえばSAE粘度が用いられていますが,エンジン油とギヤ油の粘度表示は異なっています。たとえば,ギヤ油では75W-90,85W-90,SAE90(シングルグレード)などが一般的ですが,これらの温度と粘度の関係はエンジン油のそれと近似した値です。ですから,ギヤ油がエンジン油の数倍も粘っこいというわけではありません。(75Wはさらさらです。90のシングルは鬼のように固い)
   ギヤオイルに比べ熱に強く抵抗の少ないエンジンオイルを使用している。
 A  熱に強いというのは少々異なります。エンジンオイルに求められる性能とギヤ油に求められる性能はAPIの性能分類を比べると良くわかります。(ちなみにエンジン油はSH,SJなど、ギヤ油はGL-3GL-5とかです。)あまり柔らかすぎる油は油膜切れを引き起こし、歯面・ベアリングのピッチング・スコーリングの発生原因となります。また、金属同士の直接接触が油温を上昇させ、さらに助長させますのでギヤ油(もちろんエンジン油も)にはある程度以上の硬さ(油膜強さ)が必要ということです。
  ジムニーの持病のシャー音に関して
  A  「シャー音」(デフ用語としてはベアリングに起因した音)が出ているのは粘度が少し足らないのかな?という印象を受けます。(まあ、問題がないからいいでしょう。)粘度が低くなると、一般的に油の粘っこさによるクッション作用が小さくなり異音の類がよく聞こえるようになります。(ギヤ類の異音評価は温間時が基本!)
注意 デフはギヤオイルを使わないと焼き付き等の故障が発生します。
 APIのグレードはGL-5を必ず使用してください。安いから,ミッションオイルと共用したいからといってGL-3はお勧めできません。見事に歯面が焼きつきます。極圧添加剤の量が違います。
 デフだけは値の張るGL-5を入れましょう。
 なお、余談ですが、GL-5をトランスミッションに入れるのもあまりお勧めしません。極圧添加剤(硫黄分)がミッションのシンクロ(黄銅)と愛称が良くないので,シフトフィールの悪化につながります。
 ミッションのシャー音について、埼玉県のYさんから有力な情報

 ミッション・オイルですが、以前オート・メカニックにエンジン・オイルやオートマオイルをミッション・オイルに流用するような特集があったときに、オートマ・オイル入れて見事にミッション壊しましたから、粘土の低すぎる物は禁物なようです。
 ジムニーのミッションのシャー音ですが2種類あって、軸ベアリングが共振して発生する場合とそのベアリングが悲鳴を上げている場合です。前者はジムニーのミッションの設計から来るもので粘土が低いと発生する仕方のないものです。(同様に設計上2速、5速が弱い傾向にあるようです)後者はベアリングに細かい傷が入ったり、ベアリング自体を押さえきれなくて供回りするによって発生するようで長期的には悪化し壊れます。(最悪の場合ミッション・ケースも損傷し丸ごと交換になる場合もあり)音の原因はバラしてみないと解らないのでどちらか判断つきませんが、適切なグレードと粘土の利用が防止策であることは確かです。
 異音防止のお勧め品は「ミリテック・ミレニアム」と言う添加剤です。以前にジムニーと3ヶ月程、長期出張したのですが5速で異音(「シャー」じゃなくて「ジャー」か「ギャー」)が発生するようになってしまいました。オーバーホールすると通勤にも支障が出るので、藁にもすがる思いでこの添加剤を入れました。その結果、異音はほぼ解消し、その後の数千キロの走行にも耐えてくれました。(後にバラしたら原因はベアリングに入った一筋の傷でした)その他、ミッションやデフ・オイルですが「おとぼけジムニー」に載っている通りと認識していますが、シフト・フィーリングやデフのゴリゴリ音を押さえる奥の手としては同じ成分(同一のグレード(GL-5等)や組成(鉱物油等)出来ればメーカも同じ方が良いかも)の75W−90のオイルと90Wのオイルをブレンドする手法です。原則的に1:1ですがメーカーや季節によってベスト値が異なりますので自分なりのブレンドを作るのも良いかもしれません。


     燃費とエンジンの独り言

     それにしても、ジムニーはガソリンを喰いますね。女房のパジェロも平均10キロ(最高13キロ)は走りますから、ガソリンより1リッタ−20円も安い軽油で走るパジェロの方が燃料費では断然お得です。以前乗っていた初代ホンダシティーは平均18キロ最高22キロ、英国のミニ1000では設計が大昔にも関わらず最高20キロを良く記録していました。その後のジムニーSJ10では決まって10キロ、初代ビックホーン2200ディーゼルターボは平均10キロ、ランクルBJ74V3400ディーゼルターボは平均10キロ,最高13キロでした。
     2トンのパジェロと1トンのジムニーが、同じ距離を走るのに使用する燃料の量が同じと言うことは、ディーゼルエンジンの方が遥かに効率が良いわけです。枯渇が心配されている化石燃料を少しでも有効に使用するならディーゼルエンジンが最も有望です。また、欧州では地球温暖化の悪者である二酸化炭素の排出が少ないディーゼルエンジンが人気を呼んでいます。回転する地球上でアメリカと日本はガソリンエンジンで、欧州ではディーゼルエンジンが好まれているのが全く理解できません。今までディーゼルエンジンの排気ガス規制がガソリン車より緩かったのは、特に対策をしなくてもガソリンよりも綺麗な排気ガスだったからです。作家の東京都知事がペットボトルに入った黒煙を見せただけで、ディーゼルエンジンを払拭しようとするのは些か軽薄すぎるのではないでしょうか?
     ディーゼルエンジンは雑食性ですから、軽油に限らずA重油、灯油でも走ります。天ぷら油でもOKです。ですから黒煙を排出しないような燃料に切り替えれば全てがOKとなってしまいます。
     誤解のないように念の為言っておきますが、我が家では春先に余った暖房用の灯油や使用済みの天ぷら油、スキー旅行の燃料凍結防止目的でパジェロに灯油を給油するような脱税行為は一切していません。灯油を入れた排気ガスの臭いを嗅いで喜んだり、走りの違いを体験しようと思ったことも一切ありません。そんな使用方法で13万キロを超えても故障をしたことがないなど申しません。

     海外生産のジムニーには、1.9Lのディーゼルエンジンを搭載した物も販売されていますので、乗ってみたい一台です。
     勇気を振り絞って大統領に進言してみました。

     おとジム        奥様ちょっと相談があるのですが?
     Mrsおとジム  何!?(まだ何も言ってないのだから、そんなに怒った目をしなくても)
     おとジム        実はジムニーには、1.9Lのディーゼルエンジンを搭載した…
     Mrsおとジム  でっ、何!
     おとジム        ○▲◇●□購入を○▲◇●□…
     Mrsおとジム   ハイ、話が終わったら、せっせと掃除を手伝って!どうしても欲しいんだったら自分のこずかいで買って。
      環境問題、一件落着
     



     新世代燃料 ガイアックス

     もう既にご存じでしょうが、アルコール系燃料のガイアックスを試してみました。アルコールをベースに各種の添加剤をブレンドして低価格と低公害排気ガスを目指しています。
     私の住んでる横浜では、レギュラーガソリンが約95円強に対して85円と圧倒的にガイアックスが安価です。これはガソリン税を払っていないことが大きな要因ですが、「安ければいいや」とそれ以上の深入りはしません。
     さて、使ってみた感想ですが、エンジンが完全に暖まるまではアイドリングが若干不安定になります。特におとぼけジムニー特製の燃料調整機を薄い状態にした時に顕著に現われます。完全暖気後もガソリンよりアイドリング回転が低いので、アイドリング調整をして規定値にしました。排気ガスの匂いを嗅いだところ明らかにガソリンとは異なります。水っぽいブレーキフュールドのような臭いです。排ガス成分はCO、HCともガソリンより低いようですが、発ガン性が疑われているホルムアルデヒドを多量に排出しているそうです。
     走りだしてからは、ガソリンとの差は全く感じられず軽快に走ります。アルコールはガソリンのオクタン価向上剤ともして有名ですので、高回転でガソリンより良いとの話しも聞きましたが、私には変化ないように感じられました。注目の燃費ですが、クーラーを100%使用して市内と東名高速を走って、リッター10.5キロと出ましたのでガソリンと比較して変化が有りませんでした。
     アルコールは洗浄性が高いので、バルブ周りや燃焼室のカーボンを洗い流してくれます。その証拠に下の写真のように、点火プラグのネジ山の汚れ(ピンボケでご免なさい)がガソリンとガイアックスでは全然違うことがわかります。燃焼室内のカーボンも無くなっていることでしょう。恐るべきアルコールの洗浄力!
     しかし、この洗浄力が強すぎると金属の腐食やゴムの劣化を招きますし、ガイアックスを取り扱っているスタンドでも、アルコールで洗浄されたタンク内のゴミがフィルターを詰まらせることが有ると説明していましたので、走行距離が多い車両ではフィルターが詰まり、エンストを頻繁に発生する可能性がありますので念の為燃料フィルターを交換したほうが無難です。

    ガソリン使用
    ガイアックス使用 

     さらに、オイルキャッチタンク内を見ると、ガソリン使用時は乳液状のものが溜まるのに対して、オイルのみが溜まっていました。ガソリンは燃焼時に化学変化で水を精製するが、アルコール燃料は水を精製しないことが要因でしょう。

     オイルキャッチタンク内の様子

     以上のことから、おとジム風の賢いガイアックスの使用法としては、レギュラーガソリンとガイアックスをブレンドすることでお互いの良いところを引き出したらどうでしょうか?

    1. 低公害排気ガス(CO、HCは低下するが発ガン性のホルムアルデヒドが排出される)
    2. 高オクタン価 (ハイオクより安く高オクタン価になり点火時期を進められる)
    3. エンジン洗浄 (市販のクリーナーより遥かに安価で効果大)
    4. 低価格    (実に魅力的)

    フューエルフィルター交換

     おとジム号も製造から10年、走行5.5万キロとなったので燃料フィルターを交換しました。
    交換方法は
    1. エンジンルーム内の燃料ポンプのリレーを切る
    2. エンジンを始動させエンストするまで待ち、燃料パイプ内の圧力を抜く(2〜3秒でエンストする)
    3. バッテリーのマイナスを外す
    4. 身体の一部を車体に付けて静電気を逃がす
    5. ここからは一切火気厳禁
    6. 燃料タンクのキャップを外してベ−パを逃がす
    7. フューエルフィルターは右後輪付近にある
    8. フューエルフィルターのステー、パイプのボルトを外す
    9. 新品のフューエルフィルターと交換する
    10. フューエルフィルターから燃料が漏れるのでトレイを下にひく
    11. リレー、バッテリーを接続しエンジンを始動し燃料漏れの有無を確認する
    12. 古いフューエルフィルターの分解

      古いフューエルフィルターを分解して、汚れ状態を確認した。
      濾紙は渦巻き状になっていました。濾紙の元の色は分りませんが、結構汚れていたようです。
      でも、詰まるような状態ではありませんでした。

     おとぼけJIMNY