ジ ム ニ ー の エ ン ジ ン

油脂類

  1.  アメリカ式会員制倉庫型店舗のオイル
  2.  オイル漏れ修理
  3.  横転によるオイル流出量
  4.  エンジンオイル
  5.  その他のオイル(耳寄り情報満載)
  6.  燃 費とエンジンの独り言
  7.  新世代燃料 ガイ アックス
  8.   フューエルフィルター交換

 

 アメリカ式会員制倉庫型店舗のオイル

  アメリカからやってきた会員制倉庫型店舗、名前はコ○○コですが、我が家では勝手に「スットコ」と呼んでます。この店舗は今のところ日本に6店舗を展 開し日用品、食糧品、酒類等を含め様々なものを販売していますています。ここで取り扱っているオイルは以前から気になっていましたので今回購入してみまし た。オイルはアメリカのChevron製、粘度は10W-40、APIの規格はSM級となっています。1リッター弱入りのボトルを12本入の箱で販売して います。一本の値段は280円弱でした。ジムニーのエンジンはSF級が指定ですので等級的には十分なオイルです。

 平成19年のジムニーカーニバルの2時間耐久レースに出場して、エンジンに負担をかけましたのでフィルターと同時に交換しました。フィルターはその倉庫 型店舗では販売していませんので別の店舗で購入しました。国産品ですが外国資本のものでこのフィルターも初めて使用します。
 おとジム号は通勤に使用していませんので走行距離が伸びません。したがって、オイル交換の目安は三ヶ月毎またはレース前後に交換しています。もったいな いようですが、オイルの銘柄を問わず交換を頻繁にすることによってスラッジが溜まらずエンジン内部はピカピカにキレイです。


 

 オイル漏れ修理

 オイルパンとエンジンブロックの継ぎ目からオイルが滲んできます。「オイルが入ってる証拠」と英国車気分で放置していたのですが、漏れたオイルがクラッ チ側にも回って来ましたので修理しました。その原因は、オフロードでジャンプして着地したときにオイルパンとデフケースが接触。その衝撃でオイルパンとエ ンジンブロックの隙間のシール剤が若干剥離し、オイルが滲むようになったと推測されます。

 オイル交換と同時にオイルパンを剥がしてみました。

  
赤丸部分にオイルが付着しています。ここが原因?

この後、古い液体ガスケットを取り去り、新たに液体ガスケットを塗布して組み付けました。
しばらく、様子をみてみます。


横転によるオイル流出量

  横転によって、オイルタンクに流れるオイル量がどのぐらいか知っていますか?
 先日、実際に横転させて初めて計測することに成功しました。
  横転の状況は、右に90度回転させて、直にエンジンをカットしたものです。
 
 計測した結果は、約220ccでした。このオイルキャッチタンクが無かったら、全量がシリンダー内に回っていたのです。キャッチタンクの有難さを知りま した。


エンジンオイル

  先日、近所のBMW専門の改造屋でレッドライン社のエンジンオイルの空容器を沢山見つけたので、私も レッドラインでも入れて見ようかとオートバック○に行ってみたが、1リットル約3000円強!!ぶったまげた。
 レッドラインオイル
 そんな訳でいつものとおりU.Sから直輸入で購入したら1リッター2000円で輸入出来た。輸出先の解説 によると1年間無交換でも大丈夫らしいので、おとジム号で長期実験を開始したが、エンジンを交換したので途中で頓挫。
 入れた直後はなんと滑らかにシュルシュルと、まるでBMWの6気筒のように回転している。やっぱり高価な オイルは添加剤が違うようです。
 ついでに、レッドラインの燃料添加剤SJ-1エンジンクリーナーも入れてみた。これは一部のおとジム会員 の方と共同でデータ収集中。
 
北九州のSさんから
 先日、頂きましたレッドラインのSJ-1エンジンクリーナーの経過報告です。
 早速ガソリンタンクへ注入しました。ファーストインプッレションはハイオクを入れたような感覚です。
 次の満タン時に1目盛弱入れました。300km程度の走行ですが、アイドリングが安定していることは確かで、発進もよりラフにできます。さらに嬉しいこ とに、今まで最高11m/lであった燃費が、12km/lになったことです。
インジェクション廻りのなカーボンが除去出来たのでしょうか。



その他のオイル

 ミッションやトランスファーオイルはメーカーではギヤオイルを指定しているが、私はエンジンオイルを使用 している。FF車などにはミッションにエンジンオイルを指定している車はいくらでもあり、ジムニーのミッションを分解(SJ10の4速をJA71ミッショ ンと合体させ5速にした)した経験から特殊な機構などは付いていないので、ギヤオイルに比べ廉価なエンジンオイルを使用している。これでもミッションとト ランスファーには何の問題も起きないが、ジムニーの持病のシャー音だけはギヤオイルより大きくなる。
 注意 デフはギヤオイルを使わないと 焼き付きます。
メーカーにお勤めの読者の方からのコメント
Q  ミッションやトランスファーにエンジンオイルを使用することに関して
 A  問題は無いと思います。ただし、粘度選択には気をつけま しょう。
        一般的に粘度といえばSAE粘度が用いられていますが,エンジン油とギヤ油の粘度表示は異なっています。たとえば,ギヤ油では75W-90,85W- 90,SAE90(シングルグレード)などが一般的ですが,これらの温度と粘度の関係はエンジン油のそれと近似した値です。ですから,ギヤ油がエンジン油 の数倍も粘っこいというわけではありません。(75Wはさらさらです。90のシングルは鬼のように固い)
   ギヤオイルに比べ熱に 強く抵抗の少ないエンジンオイルを使用している。
 A  熱に強いというのは少々異なります。エンジンオイルに求め られる性能とギヤ油に求められる性能はAPIの性能分類を比べると良くわかります。(ちなみにエンジン油はSH,SJなど、ギヤ油はGL-3GL-5とか です。)あまり柔らかすぎる油は油膜切れを引き起こし、歯面・ベアリングのピッチング・スコーリングの発生原因となります。また、金属同士の直接接触が油 温を上昇させ、さらに助長させますのでギヤ油(もちろんエンジン油も)にはある程度以上の硬さ(油膜強さ)が必要ということです。
  ジムニーの持病のシャー音に関して
  A  「シャー音」(デフ用語としてはベアリングに起因した音)が出ているのは粘度が少し足らないのかな?という印象を受けます。(まあ、問題がないからいいで しょう。)粘度が低くなると、一般的に油の粘っこさによるクッション作用が小さくなり異音の類がよく聞こえるようになります。(ギヤ類の異音評価は温間時 が基本!)
注意 デフはギヤオイルを使わないと焼き付き等の故障が発生します。
 APIのグレードはGL-5を必ず使用してください。安いから,ミッションオ イルと共用したいからといってGL-3はお勧めできません。見事に歯面が焼きつきます。極圧添加剤の量が違います。
 デフだけは値の張るGL-5を入れましょう。
 なお、余談ですが、GL-5をトランスミッションに入れるのもあまりお勧めし ません。極圧添加剤(硫黄分)がミッションのシンクロ(黄銅)と愛称が良くないので,シフトフィールの悪化につながります。
 ミッションのシャー音について、埼玉県のYさんから有力な情報

 ミッション・オイルですが、以前オート・メカニックにエンジン・オイルやオートマオイ ルをミッション・オイルに流用するような特集があったときに、オートマ・オイル入れて見事にミッション壊しましたから、粘土の低すぎる物は禁物なようで す。
 ジムニーのミッションのシャー音ですが2種類あって、軸ベアリングが共振して発 生する場合とそのベアリングが悲鳴を上げている場合です。前者はジムニーのミッションの設計から来るもので 粘土が低いと発生する仕方のないものです。(同様に設計上2速、5速が弱い傾向にあるようです)後者はベアリングに細かい傷が入ったり、ベアリング自体を 押さえきれなくて供回りするによって発生するようで長期的には悪化し壊れます。(最悪の場合ミッション・ケースも損傷し丸ごと交換になる場合もあり)音の 原因はバラしてみないと解らないのでどちらか判断つきませんが、適切なグレードと粘土の利用が防止策であることは確かです。
 異音防止のお勧め品は「ミリテック・ミレニアム」と言う添加剤です。以前にジムニーと3ヶ月 程、長期出張したのですが5速で異音(「シャー」じゃなくて「ジャー」か「ギャー」)が発生するようになってしまいました。オーバーホールすると通勤にも 支障が出るので、藁にもすがる思いでこの添加剤を入れました。その結果、異音はほぼ解消し、その後の数千キロの走行にも耐えてくれました。(後にバラした ら原因はベアリングに入った一筋の傷でした)その他、ミッションやデフ・オイルですが「おとぼけジムニー」に載っている通りと認識していますが、シフト・ フィーリングやデフのゴリゴリ音を押さえる奥の手としては同じ成分(同一のグレード(GL-5等)や組成(鉱物油等)出来ればメーカも同じ方が良いかも) の75W−90のオイルと90Wのオイルをブレンドする手法です。原則的に1:1ですがメーカーや季節によってベスト値が異なりますので自分なりのブレン ドを作るのも良いかもしれません。


     燃費とエンジンの独り言

     それにしても、ジムニーはガソリンを喰いますね。おとジム号は1リッタ−平均10キロ。女房のパジェロディーゼルも平均10キロ(最高13キロ)は走り ますから、ガソリンより1リッタ−20円も安い軽油で走るパジェロの方が燃料費では断然お得です。以前乗っていた初代ホンダシティーは平均18キロ(最高 22キロ)、英国のミニ1000では設計が大昔にも関わらず20キロを良く記録していました。ジムニーSJ10では決まって10キロ、初代ビックホーン 2200ディーゼルターボは平均10キロ、ランクルBJ74V3400ディーゼルターボは平均10キロでした。
     2トン弱のパジェロと1トン弱のジムニーが、同じ距離を走るのに使用する燃料の量が同じと言うことは、ディーゼルエンジンの方が遥かに効率が良いわけで す。枯渇が心配されている化石燃料を少しでも有効に使用するならディーゼルエンジンが最も有望です。また、欧州では地球温暖化の悪者である二酸化炭素の排 出が少ないディーゼルエンジンが人気を呼んでいます。回転する地球でアメリカと日本はガソリンエンジン、欧州ではディーゼルエンジンが好まれているのが全 く理解できません。今までディーゼルエンジンの排気ガス規制がガソリン車より緩かったのは、特に対策をしなくてもガソリンよりも綺麗な排気ガスだったから です。作家の東京都知事がペットボトルに入った黒煙を見せただけで、ディーゼルエンジンを払拭しようとするのは些か軽薄すぎるのではないでしょうか?
     ディーゼルエンジンは雑食性ですから、軽油に限らずA重油、灯油でも走ります。天ぷら油でもOKです。ですから黒煙を排出しないような燃料に切り替えれ ば黒煙問題もほとんどが解決してしまいます。
     誤解のないように念の為いっておきますが、我が家のパジェロにでは余った暖房用の灯油や使用済みの天ぷら油、スキー旅行の燃料凍結防止目的で灯油を給油 するような脱税行為は一切していません。灯油を入れた排気ガスの臭いを嗅いで喜んだり、走りの違いを体験しようと思ったことも一切ありません。そんな使用 方法で14万キロを超えても故障をしたことがないなど申しません。
     海外生産のジムニーには、1.9Lのディーゼルエンジンを搭載した物も販売されていますので乗ってみたい一台です。

 新世代燃料 ガイアックス

     もう既にご存じでしょうが、アルコール系燃料のガイアックスを試してみました。アルコールをベースに各種の添加剤をブレンドして低価格と低公 害排気ガスを目指しています。
     私の住んでる横浜では、レギュラーガソリンが約95円強に対して85円と圧倒的にガイアックスが安価です。これはガソリン税を払っていないことが大きな 要因ですが、「安ければいいや」とそれ以上の深入りはしません。
     さて、使ってみた感想ですが、エンジンが完全に暖まるまではアイドリングが若干不安定になります。特におとぼけジムニー特製の燃料調整機を薄い状態にし た時に顕著に現われます。完全暖気後もガソリンよりアイドリング回転が低いので、アイドリング調整をして規定値にしました。排気ガスの匂いを嗅いだところ 明らかにガソリンとは異なります。水っぽいブレーキフュールドのような臭いです。排ガス成分はCO、HCともガソリンより低いようですが、発ガン性が疑わ れているホルムアルデヒドを多量に排出しているそうです。
     走りだしてからは、ガソリンとの差は全く感じられず軽快に走ります。アルコールはガソリンのオクタン価向上剤ともして有名ですので、高回転でガソリンよ り良いとの話しも聞きましたが、私には変化ないように感じられました。注目の燃費ですが、クーラーを100%使用して市内と東名高速を走って、リッター 10.5キロと出ましたのでガソリンと比較して変化が有りませんでした。
     アルコールは洗浄性が高いので、バルブ周りや燃焼室のカーボンを洗い流してくれます。その証拠に下の写真のように、点火プラグのネジ 山の汚れ(ピンボケでご免なさい)がガソリンとガイアックスでは全然違うことがわかります。燃焼室内のカーボンも無くなっていることでしょう。恐るべきア ルコールの洗浄力!
     しかし、この洗浄力が強すぎると金属の腐食やゴムの劣化を招きますし、ガイアックスを取り扱っているスタンドでも、アルコールで洗浄されたタンク内のゴ ミがフィルターを詰まらせることが有ると説明していましたので、走行距離が多い車両ではフィルターが詰まり、エンストを頻繁に発生する可能性がありますの で念の為燃料フィルターを交換したほうが無難です。

    ガソリン使用
    ガイアックス使用 

     さらに、オイルキャッチタンク内を見ると、ガソリン使用時は乳液状のものが溜まるのに対して、オイルのみが溜まっていました。ガソリンは燃焼 時に化学変化で水を精製するが、アルコール燃料は水を精製しないことが要因でしょう。

     オイルキャッチタンク内の様子

     以上のことから、おとジム風の賢いガイアックスの使用法としては、レギュラーガソリンとガイアックスをブレンドすることでお互いの良いところ を引き出したらどうでしょうか?

    1. 低公害排気ガス(CO、HCは低下するが発ガン性のホルムアルデヒドが排出される)
    2. 高オクタン価 (ハイオクより安く高オクタン価になり点火時期を進められる)
    3. エンジン洗浄 (市販のクリーナーより遥かに安価で効果大)
    4. 低価格    (実に魅力的)

    フューエルフィルター交換

     おとジム号も製造から10年、走行5.5万キロとなったので燃料フィルターを交換しました。
    交換方法は
    1. エンジンルーム内の燃料ポンプのリレーを切る
    2. エンジンを始動させエンストするまで待ち、燃料パイプ内の圧力を抜く(2〜3秒でエンストする)
    3. バッテリーのマイナスを外す
    4. 身体の一部を車体に付けて静電気を逃がす
    5. ここからは一切火気厳禁
    6. 燃料タンクのキャップを外してベ−パを逃がす
    7. フューエルフィルターは右後輪付近にある
    8. フューエルフィルターのステー、パイプのボルトを外す
    9. 新品のフューエルフィルターと交換する
    10. フューエルフィルターから燃料が漏れるのでトレイを下にひく
    11. リレー、バッテリーを接続しエンジンを始動し燃料漏れの有無を確認する
    12. 古いフューエルフィルターの分解

      古いフューエルフィルターを分解して、汚れ状態を確認した。
      濾紙は渦巻き状になっていました。濾紙の元の色は分りませんが、結構汚れていたようです。
      でも、詰まるような状態ではありませんでした。