ジ ム ニ ー の エ ン ジ ン

改造メニュー 本体編
  1.  燃料圧力調整
  2.  ブローバイ対策
  3.  エンジンマウント交換
  4.  エンジンスワップ 

燃料圧力調整

 始動直後のガスの臭いは強烈で、排気ガスが室内に流入すると頭が痛くなります。燃料が濃い状態ですね。
 なぜかを考えた末に行き着いたのは、燃料の圧力。エンジンの吸気圧力より常に燃料の圧力を高めていますが、その圧力が高いようです。燃料圧力が高いとガ ソリンの噴射量が多くなって高出力になるように思われがちですが、吸気した空気の量とガソリン量は定まっていますので、より燃料を送り込んでも燃焼せずに 排出されてしまいます。 燃料の圧力を調整しているのがこのバルブ。

ダイアフラムとスプリングでガソリンの圧力を調整しています。経年劣化によりバネの圧力が減少して燃料圧力が減少すると思っていたのですが、その逆で燃料 圧力が高くなるようです。


交換後は明らかに排出ガスの臭いが減少しました。しかし、まだ臭います。次はどこだ?



ブローバイ対策

 ヘッドカバーからターボ付近に伸びる黒いゴムホースは、多量のHC等の有害物を含んだブローバイガスを再 び燃焼させるものである。
 オイルキャップを外すと裏にマヨネーズ状の物が付着しているのを見ることができるが、これは水分とオイル が混ざった物だ。ノーマルだと、このマヨネーズ状の物も燃焼させているのでエンジンには良くない。さらに吸気管内もオイルに汚染され、各センサーに付着し 正常な値がコンピューターに反映されないことも考えられる。そこで、水分やオイルの液体と有害ガスを分離させる装置を設置した。通常オイルキャッチタンク と呼ばれているものだ。
 ヘッドカバーからターボ吸入口に伸びているゴムホースの間にオイルキャッチタンクを設置すればよい。オイ ルキャッチタンクは容器ならなんでもよく、私はアルミのボックスを利用して作った。
 この状態でエンジンを回すと、ヘッドカバーから延ばしたホース内に直ぐに水滴が付き、オイルキャッチタン クのキャップを外して臭を嗅ぐと如何にも体に悪そうなガスの臭気がたちこめる。この臭いを長く嗅ぐとラリルのでホドホドに。分離装置の効果はすごく、 1000キロも走ると、タンク内には20〜30ccの黄色い水分と少しのマヨネーズ状の物が溜まる。ノーマルであれば当然これらが燃焼室に入っていた訳で ある。
 その他、転倒や横転したときの状況にもよるが、最悪ヘッドカバーからオイルが燃焼室に回り、コンロッドの 変形等が予想され場合にもオイルキャッチタンクを設けることで防波堤になり、エンジンを壊すことなく守ってくれるし、コースや道路にオイルを蒔くことも防 げる。横転常連車の必需品。


エンジンマウント

 おとジム号も10年、5万キロを走行したので、エンジンマウントを交換した。エンジンの回転と逆の方向に エンジンが動揺するので、左側のマウントが伸び右側のマウントは圧縮される。レース等の激しい走りでは左側のマウントが伸びに耐えられずに、断れる現象が 発生することがある。
 
左 新品  右 旧
ゴムの厚みが異なる

オイルパンにジャッキをあてがい、3箇所のネジを取る。
マウントゴムと金具を取る。
マウントゴムのみ交換する。

マウントを取り去った状態

    エンジンスワップ


    自然な感じに収まりました
     ついにやりました!!!
     カプチーノのDOHC F6Aエンジンに乗せ換えました。そのパワーたるやジムニーのF6Aとは比較になりません。ガガーット回って、燃料カットが始まるまで一直線です。低速ト ルクの落ち込みは全く感じられません。8800回転まで回り、3速で80キロをオーバーしていま す。5速100キロからでもビュ〜ンと加速です。
     パワー麻薬の中毒になりました。もっと強力な麻薬が必要のよです。N2コンピューターRHB31FWターボ がほしぃー。
     
    エンジンスワップのい ろは
    1. エンジン入手法
    2. エンジンの程度判 別法
    3. エンジン吊り 上げ方法
    4. 相違箇所
    5. 車検は…?
    6. 駆動系の補強は?
    7. 燃費は?
    8. エンジン音は?
    9. デメリットは?
    1 エンジン入手法
     手っ取り早いのが、リサイクル業者からの調達です。その他オークションで探すのも方法ですが詐欺には十分ご 注意を。
    2 エンジンの程度判別法
     厳密には分解して、各部分の寸法を計測をしなければなりませんが、以下の方法でおおよその見当がつきます。
     
    1. オイルの漏れ 
      1.  にじみ程度はOKだが、漏れていると歪みが発生していたり、ガスケットが飛んでいたりするで注意。
    2. クランク回転 
      1.  クランクプーリーに17ミリの工具を差し込んで、手で回してみる。回らないと焼き付いていますし、 簡単にクルクル回るようですと圧縮漏れがあります。ご自分のジムニーで重さの感覚を養ってください。
    3. クラッチ板やディスクの減りを確認 
      1.  クラッチが減っていてもエンジンの程度とは関係が無いが、おおよその走行距離と前ユーザーの運転方 法が推測できる。
    4. プラグの焼け  
      1.  色は少し白いほうが良い。電極の角が取れているプラグは長期間交換していないので、前ユーザーがメ ンテナンスを怠っていた証拠でもある。
    5. オイルキャップ内の色 
      1.  オイルキャップを取って、カムの色とスジの有無を確認する。きれいなアルミ色で磨かれたようであれ ば、定期的にオイル交換を実施していたエンジンです。黒かったらまめに交換していなっかたので、スラッジが積もっている証拠。カムに黙視で見えるようなス ジを発見したら、オイル管理が悪かったエンジンでなのでガチャガチャ音が出ます。
    3 エ ンジン吊り上げ方法

     
    こんな小さなガレージでもジムニーは変身します。

     足場パイプで櫓を組み、安物のハンドウインチで引き上げる。安物ハンドウインチでは引き代が足りずエ ンジンが十分に持ち上がらないのでロープも兼用した。勿論、搭載方法も同じ。
     足場パイプ1メートル400円前後 クランプ1個250円程度 安物ハンドウインチ1980円 

    4 ジム ニーF6AとカプチーノF6Aでの相違箇所
       

    1.  SOHCとDOHCではカムの数が違うので、DOHCの方が頭デッカチ(あたりまえ)
    2.  ターボの位置が異なります。ジムニーより約40ミリ程度前方に寄り、角度も異なるので排気 パイプの 延長と角度変更をする。
    3.  吸入径が異なるので、エアークリーナーからターボの吸気管までパイプの加工が必要。
    4.  ジムニーのインタークーラーでは厚くてボンネットが閉まらないので、他車のを流用するか位 置を変更 する。私は読者から譲っていただいたアルトワークス用を純正と同じ位置でステーを作成し使用。
    5.  インタークーラーを変更したので、ターボからインタークーラーとインタークーラーからエン ジンまで のパイプを自作。
    6.  プーリー、フライホイール、クラッチ関係が異なりますのでジムニーから移植。
    7.  オイルパン、オイルストレーナーが異なりますのでジムニーから移植。
    8.  燃料パイプがジムニーは高級なネジ式タイプに対してカプチーノは差し込み式の安価タイプ。
    9.  ラジエーターに電動ファンの取りつけ。
    10.  エンジンマウント金具をジムニーから移植。
    11.  オルタネーター、ACコンプレッサー、パワステポンプをステーごとジムニーから移植。
    12.  スロットルケーブルが異なるのでジムニー用を加工。
    13.  ターボ冷却の水配管が異なるので、ホースを延長。
    14.  エンジン制御の電気配線(ワイヤーハーネス)一部を延長。
    15.  ジムニーCPUを使用しても動きますが、7400回転で燃料カットになりますので、カプ チーノかア ルトワークスのCPUに変更して、8800回転まで回るようにします。しかし、ジムニーCPUのほうが低速でトルクがあるように感じます。
        結構大変でしょ!!これ以 外にも細かなものを含めて、知恵と工夫で乗り越えなければなりません。
    しかし、交換を終えて走り出した瞬間に苦労が感激に変わ ります。 
    5 エンジン を交換して車検は…?

      エンジンを交換し馬力もアップしたので、車検時に難しい計算式ならべた書類が必要で はないか?との質問を読者から頂きましたが心配御無用。計算式書類は一切必要ありません。なぜなら、ジムニーもカプチーノも同じ「F6A」エンジン、 SOHCもDOHCもエンジンの母体となるブロックは全く同じものですので、このまま車検に通ります。


    クランクを覗く。ジムニーもカプチーノも同じ光景

    6 駆 動系の補強は?

     ジムニーの5型は64馬力。それでも駆動系の補強はありませんでしたので、5型以前車もそのままで大 丈夫です。
     ちなみに、クラッチ径はカプチーノよりジムニーの方が大きいです。
     
    7 燃費は?
     横浜市内を70%、東名高速を20%その他郊外を10%程度走り約10.5走りました。市内は渋滞が当り 前、東名は100キロ平均です。アルトワークスやカプチーノは15〜17走るそうですから如何にジムニーが抵抗が多いかがわかります。
    8 エン ジン音は?
     基本的には変化ありませんが、4000回転過ぎてから音色が連続的なものに変わり、さらに7000回転を過ぎるとレー シーな音色が一層賑やかになります。また、アイドリングではSOHCの「ボッボー」といった連続的なものから「ボッボッボ」と各々の気筒から独立した音に 変化しました。
     DOHCエンジンはラッシュアジャスターを備え、バルブクリ アランスはいつも「0ミリ」になっていますので、アイドリング時の騒音はSOHCより静かです。
    9 デメリッ トは?
     特にありませんが、カム数等が増えたのでフロントの重量が重くなります。デフに作動制限装置を取り付けた車両では、雨 の交差点などでいままで通りにアクセルを踏むと簡単にスピンします。また、メーカーの保証外になるでしょうが、既に保証期間を過ぎていますので関系ありま せん。