ジ ム ニ ー の エ ン ジ ン

改造メニュー 冷却編
  1.  ドレン水再利用
  2.  電動ファンに交換
  3.  ラジエーター逆さ洗い
  4.  ミニミニラジエーター
  5.  ビックラジエーター
  6.  サブラジエーター
  7.  無駄な開口部は塞げ
  8.  ローテンプサーモはオーバーヒートしない?
  9.  冷却水フィルター
  10.  冷却水フィルター2 
  11.  冷却水 フィルター3
  12.  導 風 板

ドレン水再利用

 2008年の夏も暑〜い。渋滞のゴーストップでは、クーラーがないと耐えられません。
 クーラーのドレンホースから流れ出る水に触れて見ると冷たくて気持ちイイ。この水、元は車内の湿気です。クーラーの熱交換器に着いた水が流れ出ているの です。氷水の入ったグラスの外に着く水滴と同じ原理である。この冷たい水をそのまま排出していてはもったいない。何かに使いたい!


 ひらめきました!
 冷却によって発生した水ですから、再度冷却に使いましょう。


ドレンホースにビニルホースを差込みました。

ビニルホースの向かった先は、クーラーのコンデンサー
 ドレンホースにビニルホースの一方を接続し、もう一方をクーラーのコンデンサー前に伸 ばします。これで、クーラーで発生した水がポタポタとコンデンサーに流れ出てきます。流れ出てきた水は、コンデンサーに当たり冷媒のフロンガスの冷却効果 を高めます。さらに、その水が後方のラジエーターに当たりラジエーターの冷却効果をアップさせます。コンデンサーとラジエーターを冷却した水は電動ファン で掻き回され霧状になり、周囲の高温の空気と混合され気化し空気を冷却するトリプル効果を狙いました。
 さ〜て、停車状態での実験です。エンジンを始動し、クーラースイッチオン。しばらくす ると、ビニルホースの中を水がチョロチョロと流れて行くのが見えます。その水が出口から水滴なってコンデンサーを通過します。通過した水はラジエーターの 下部の凹みに入り込みます。水が次々と供給されるため、一部は落下し、一部は電動ファンに当たり「ギュン」と音を立てながら霧状になってエンジンルームの 各所に消えてしまいます。ファンを通過した水の一部がファンの支柱等に水滴として付着しています。
 続いて、市内をクルッとまわっての走行実験です。走行後にボンネットを開けると、エンジンルームに水はありません。走行風圧で水は飛ばされたようです。 それでは、走行中にクーラーの効きや冷却水の温度はどうだったかって……。ウーム、分かりません。効果が有ったのかどうか全く分かりません。おそらく、理 論上は効果があるので、自己を満足させるには十分なアイデアでした。





電動ファンに交換

 JA11シリーズの2型から冷却ファンがカップリング付きに変更されたが、冷却が不必要な時でもファンは回転している。そのため、ファンの風切音の発 生、パワーの浪費が発生している。そこで電動ファンに交換した。
 実は以前に乗っていたSJ10も電動ファンに交換して、パワーが著しく向上した経験があるので、2匹目のドジョウを狙ってみた。
 電動ファンはUSから輸入した直径14インチの強力。取り付けステーは、ホームセンターで購入した建築金具を組み合わせ、水温スイッチはサーモスタット 上のカバーに直接ねじ山を切って取り付けた。
 水温計の針が約半分の所にくると「ブーン」と回り出す。SJ10の時と違って劇的な変化は感じられないが、心持ち回転の上がりが良いのと、風切り音が低 下した。電動ファンの長所は、走行風の期待できない低速でも全開で回るので冷却効率が良いのである。
 さらに、クーラーのファンが回転する時も、一緒に回転するようにしたので、クーラーの効きも良いが、真夏の渋滞をノロノロ走行するときなどはバッテリー の健康管理に注意が必要です。


 ラジエーター逆さ洗い

 ロアホースに水道ホース

 もう2年以上LLCを交換をしていないので、交換と洗浄を合わせて行った。ラジエーター下部のドレンコックから冷却水を抜いて、ラ ジエーターホースとラジエーターを取り去る。
 ラジエーターロアー口から水道水を勢い良く流し込み、キャップ口から水と汚れを出す。エンジンの冷却水と水の流れが逆になるから「逆さ洗い」である。コ イン洗車場の様な圧力水で実施すれば更に効果的。

冷却水の注入方法

  1. 逆の順序でラジエーターを取付け。
  2. 水を満たしてエンジンを掛け、サーモスタットが開くまで暖気する。
  3. ドレンコックを開るとエンジンに残っていた冷却水が出る。
  4. 緑の冷却水が出なくなるまで上記2と3を繰り返す。
  5. クーラントと水を入れ、その地域の最低気温に合わせた濃度にする。通常はクーラント濃度30%
 クーラントの色はトヨタ系のとその他のが あるが、違いは色だけで機能は同じである。錆びやゴミの確認をしやすい緑色が 断然お薦め!


ミニミニラジエーター追加

追加したミニラジエーター

 ジムニーの冷却水の流れを辿って行くと、エンジンで暖まった水はラジエーターに入る直前で分岐し、一部の冷却水がオイルクーラーと ターボを通って高温の状態になる。この高温の冷却水がラジエーターを通って冷やされるのかと思いきや、そのままロアホースに入ってエンジンに廻ってしまう (オイオイ)。
 エンジン暖気時は暖まった水がエンジン内を素早く駆け巡り暖気時間の短縮に貢献するが、夏場の高気温の中、クーラーとターボを効かせてガンガン走る様な 過酷な状態の時にラジエーターで冷やされる前にエンジンに戻ってしまっては、チューニングエンジンではあっと言うまに100℃を超えてしまい、オーバー ヒート状態になる。
 そこで、沸騰寸前状態になった冷却水を、ロアホースに入る直前でミニラジエーターを通して冷やしてやることにした。ミニラジエーターは50ccオートバ イのオイルクーラーを代用した。こんな小さなラジエーターでは大した効果も発揮しないだろうと期待はしていなかったが、これがどうして仲々の実力者。ミニ ラジエーターに入る前のゴムホースを素手で触ると熱くて1秒ぐらいしか我慢できないが、ミニラジエーターを通った後のホースは熱さに3秒程度我慢できる。 走行してみると、通常より水温が3〜5℃低い。



    ビックラ ジエーター


    左がジムニー、右がサムライ

     DOHC化(カプチーノエンジン)に備えてサムライ(ジム ニーのUS輸出車)のラジエーターに変更した。写真のとおり縦方向に長くなり、冷却面積が大きく広がっている。
     エンジンが暖まると、乾ききらなかった塗料の成分が蒸発し、新車の香りとなって漂っている。


    サブラジエーター
      前述のミニラジエーターと同じ考え。今度はターボを冷却した水が、エンジンに戻る途中にラジエーターを追加した。
     ビックラジエーターを付けたり、大きな電動ファンを付けたりしていますが、夏場の最高気温30度を超えるような時にクーラーを使用して高速走行をすると たちまち水温が上がってしまいます。クーラーを入れなければ大丈夫なのですが、「黒い」おとジムでは暑くて耐えられません。
     ターボが働くと極端に水温が上がるので、ターボを冷却した水を冷やしてからエンジンに戻してやろうと考えたのです。利用したラジエーターは、ジムニー AT用のATFクーラーです。取り付け位置はジムニーATと同じ位置で走行風が当たるようにしてあります。ターボとの接続は内径9ミリのゴムホースを利用 しています。
     効果は以前と同じ使用条件でも水温計の針は3/4のところを指しています。冬場は暖気に若干の時間がかかりますが、暖まってしまえば問題ありませんでし た。
    白い囲みの所だよ

     無駄な開口部は塞げ!?
      このごろの新車のラジエーターグリルを見たことがありますか?と言うのは、私の家の近所は、新型車ばかりですが、どの車もラジエーターグリルの開口部 とラジエーターの大きさが合致していて無駄な開口部がありません。
     このことから「ラジエーターを効果的に冷却するには余分な開口部はいらない」のではないかと気付いたのです。具体的には、ジムニーのようにラジエーター の左右に開口部があると、前方からの走行風はラジエーターという抵抗を通過せずに、左右の抵抗の無い開口部に逃げてしまうのではないか?と思うようになっ たのです。
     そこで余分な開口部を亜鉛板で塞ぎ、走行風が効果的にラジエーターに当てるようにしてみました。
     
     このままだと、グリルを取り付けた時に亜鉛板の銀色が目立ってしまうので、亜鉛板を黒ラッカーで塗装しました。
     
     これだと目立ないでしょ。
     これが、思った以上に効果を発揮しました。やはり、メーカーのやることは伊達じゃありません。

    ローテンプサーモスタットはオーバーヒートしない?

    「ローテンプサーモ」は開弁温度をノーマルに比べ低く設定することにより、ラジエター水を 早めに循環さ せるため、熱ダレ、オーバーヒートを防止し、エンジンのポテンシャルを最大限に発揮させます。

     
     なんて大概の広告には書いてある。本当にオーバーヒートを防止できるのか?
     使った結果から言えば答えは「ノー」だ。開弁温度を下げて冷却水が早くラジエーターに流れても、純正のサーモスタットの開弁温度を超えれば同じなので、 結局はラジエーターの能力以上に冷やすことは出来ない。
     しかし、オーバーヒートを防止することは出来なくても、大幅に遅らせることができる。標準品より早く開弁させてクーラントを巡回させることにより、早い (低い)時期から冷却水を冷やし、オフロード走行や高負荷運転時の水温上昇を押さえる。と言うより、オーバーヒートになるまでの時間を延ばすことができる のだ。

     具体的には冷却水が100度でオーバーヒートと仮定する。

    1. 純正は82度で開弁するので100度まで18度
    2. ローテンプは71度で開弁するので100度まで29度
     
     純正とローテンプの差11度を考えると
     ローテンプの71度から純正82度に達するまでには、既にラジエーターにより冷却水を冷やしているので、82度に達するまでには大幅に時間を稼げる。
     その延びた時間を利用して、オフロードを越えてしまえば良いし、峠の坂道も越えてしまえばいいのだ。また、運悪く100度に達して、エンジンが冷えるま で待ったとしても、純正の82度に対してローテンプ71度まで落ちる。このアドバンテージは大きい。

    冷却水フィルター

     ラジエーターの横に樹脂製の半透明のリザ−バータンクがあるでしょ。中を覗いたことありますか?
     底に茶色い物が沈澱してるでしょ。錆びが溜っているのです。オイルも空気にもフィルターがあるのに、なぜ冷却水にないのか?ジムニーのF6エンジンは、 鉄で出来ているのですよ。
     なければ、付けてしまおう!と、部品巡りをしたが自動車用がない。船舶用にはクラゲが取れるのがありましたが。それでは、いつもどおりに何かの流用で行 こう。
     オイル、燃料用のフィルターは流用可能なものが沢山ある。しかし、そのほとんどのフィルターケースが鉄製です。冷却水は水である。いくらLLCが入って いても、フィルターケースが鉄製では錆びてしまう。その錆がフィルターを詰まらせては意味がない。 ありました。ちょっと小振りですが、アルミ製のケースに再使用可能なフィルターが入っているのが。
     

     細い冷却水パイプの途中に取り付けました。

    冷却水フィルター2

     小ぶりのフィルターを取付けたのは良いのですが、取れるんですよ錆びが。取れすぎてしまって、清掃が大変なんです。
     そこで、大きなものに交換しました。分解式なので、中身のフィルターのみ交換します。フィルターの入っているメッキのポット部は鉄製ですが、赤 いヘッド部はアルミ鋳物です。ポット部の錆の発生が心配ですが、実験、実験。



    取付は、前回と同じ箇所にしました。


    約1000キロ走行しましたので、分解してみました。

    ゴミが溜まっています。
    心配していた、ポット自身が錆びてしまうことはありませんでした。

    ゴミを取り出してみました。
    錆と湯泥のようなものが取れました。
    フィルターからも、またまた取れました。
    こんなものが、冷却水に混じっているのですね!!

    この分だと、5000キロ程度まではノーメンテで行きそうですね。フィルターは洗っ て再使用します。

    冷却水フィルター3

    やっと、理想的なフィルターが見つかりました。元の用途は、キャブレターエンジン用の燃料フィルターです。見た目に可愛いデザインなのは、さすがイタリア 製。上部にはメーカー名とトレードマークが浮き出ています。アルミボディーなので錆に強く、軽量で放 熱効果も高いものです。肝心のフィルターは、メッシュタイプで洗浄もしやすく、取り出し方法もポッドを回転させれば簡単に外れます。精度もよく、水漏れの 心配もありません。  

           
    取付け方法は前回と同じですが、取付け位置をヘッドライト裏にして若干でも走行風が 当たるようにしました。ポッドの上部にはエアー抜きボルトがついていますので、冷却水の交換時に素早くエアーを抜くことができます。ジムニーのエンジンに は、このエアー抜きボルトがついていないので重宝しそうです。

        

    結果報告です。



    このごろ、距離が出ていませんがコレだけ取れました。
    フィルターの網の目には小さなゴミが突き刺さっています。


 導 風 板

 既にお馴染みの導風板ですが、遅ればせながら作製しました。JA22の電動ファンエンジンには純正で樹脂製のものがついていますので、効果があるの かな?ってことで製作しました。
 材質は手持ちの亜鉛板とアルミ板。材質に特にこだわりはなく、ただ手持ちだということだけです。 現物合わせで金属板を切り抜き、折り曲げて出来上が り。
 取付はラジエーターとクーラーコンデンサーのステーに共締めしました。



ラジエーター左側

赤い囲みがラジエーター左側取り付け状況

ラジエーター右側

赤い囲みがラジエーター右側への取り付け状況


 

コレだけでは面白くないので、ボンネット裏にウイングを付けてボンネットとグリルの 隙 間から入る風をラジエーターへと導きました。


ボンネット裏のウイング
写真で撮ると、ボンネット裏の汚れが目立ちますね。